企業再生のノンフィクションケースから学んだこと
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MBA
通っているグロービス経営大学院で2012年内最後の授業を受講してきました。
クラステーマはズバリ企業再生
バブル期に創業したホテルを再生するという設定でしたが、ノンフィクションのケースで実際に再生にあたった当事者がクラスで登壇頂きました。おかげで、ものすごい臨場感で単なるケースに関する議論にとどまらずに濃い内容の3時間を過ごせました。
クラスの中で重要だと思ったこと
・自信をもってプレゼンをすること
この企業を再生するにはどうすればいいかを迷いながらプレゼンするよりも、間違っていてもいいから自信を持って聴衆を説得するように自分の考えを述べる。
・定量と定性をバランスよく
特に今回、企業再生案件のケースということもあり我々のチームでの議論はキャッシュフローを適正化することと売上を維持する事を前提として議論していました。実際の当事者の方もキャッシュフローと売上の二軸で損益分岐点分析を使って予測及び実績の管理をされていたらしい。
定量である程度キャッシュフローを見ながら、一方で売上を伸ばす施策を打つために定性的な情報を集めて分析していくこと。こんな感じで当事者からのアドバイスを理解しました。
・コストカットには限界がある
まあ、当たり前といえば当たり前ですが、コストも切れるものは切り詰めていくのですがやはり仕入を仕入れたり人を管理しだすとコストがかかるもので限界がある。このケースでも、当事者が再生に着手した際にも限界までコストを下げる努力は既になされていて、これ以上コストを下げるとサービスが低下してしまい、売上が下がってしまう恐れがあったとのこと。
・方向性を明確に示してやる
再生を受ける側(既存従業員など)は、考えつくあらゆる手を尽くして再生の努力を続けてきたが結果として収益低下などによって破綻に至るケースがある。よって、従業員に「売上を伸ばすプランを出せ」といったところで出てくるはずがない。よって、再生を引き受ける側のメンバーが明確な方向性を打ち出してやる必要がある。
・明確な評価制度と報酬
やはり、再生を受ける側の従業員は仕事に対するやる気が低下している。(人員削減などの余波で長時間労働にも関わらず、給与カットが続き、日々の生活のこともギリギリの状態でやっているなど)
彼らのことを考えると、給料を上げられる施策(余剰人員や本当にやる気のない人員をカットして、その分を頑張っている従業員へ評価して分配する)によって、適正に評価してやる気を喚起する。
・経営陣のやる気・本気度
様々な再生に関する施策を考えたとしても、最後はやはり経営陣の企業再生やりきる気力・体力だとのこと。疲弊しきった組織で再生をやりきるのは相当なエネルギーを要する。並大抵の気合がなければできない。覚悟をもって再生に取り組むこと。だそうです。
ほんとに自分で再生を手がけることになったら大変だろうなと思う当事者からの学びでした。
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